YouTubeのパートナープログラムの説明会が、お茶の水のデジタルハリウッド本校で行われておりまして、お金のニオイもプンプンするので行ってきました。
会場は200〜300名ほど入れたでしょうか。最終的には満員になり、かなりの盛況だったようです。
説明会の様子はYouTube上でライブ中継されていたようで、会場にも中継機材らしきものが並び、スタッフがスタンバッてました。またUSTREAMでも中継が行われていたようです。
一番前にはかなりの数のPRESS席が用意されていました。日本でもパートナーを本格的に増やしていくために本腰を入れていこうという気概ですかね。こちらもこの後、結構うまっていました。
6月29日追記
YouTubeに説明会当日の模様が全てアップされていました。
> YouTube パートナーフォーラム 2011 – Part 1
> YouTube パートナーフォーラム 2011 – Part 2
最初に司会者から会場への質問
- ・会場の半分がYouTubeにアップロード経験あり
- ・パートナーシップ申込者はほとんどいない
- ・初めて聞いたという人もちらほら
そしてまず最初に
YouTubeコンテンツオペレーション&オンラインクリエーターズ
ディレクター兼グローバルヘッド
トム・ピケットさん
YouTubeの簡単な概要を説明していました。
- ・1分間 48時間分のビデオがアップロード
- ・30億ビュー以上/日
- ・世界のユーザー数は4億5千万
- ・日本のユーザー数は3200万人
またYouTubeは、日本で第7位のブランド力があり、日本で第4位のサイトらしいです。
パートナープログラムは、
2007年5月アメリカで開始
2008年4月に日本でも開始
現在は世界で2万以上のパートナーがいるとのこと。
日本のパートナーへの支払い金額はこの1年で400%増えており
サラリーマンの平均年収より稼ぐ人が国内にもいるそうです。
収益モデルは、以下3種類の広告
- ・オーバーレイ
- ・右側のバナー広告
- ・インストリーム広告
www.youtube.com/partners
からYouTubeパートナープログラムに申し込みができます。
次に
ローレンス・ポデルさん
Youtube next lab
ディレクター兼グローバルヘッド
YouTube Next Laboという何だか楽しそうな名前の部署の人で、どうやらnext new network の人かな?Next new networkは、少し古いですがTechCrunchでも記事にもなっていて、どうやら多くのクリエーターを囲ってネットワーク化し、YouTubeを含めたいろいろなサイトに映像を提供している会社のよう。Google(YouTube)に買収されています。
※ここでNext new networkのデモビデオが流れましたが、恐らくオンラインにはないビデオのようでした。
以下説明が続きますが、Next new networkとYouTube Next Labと今回のパートナープログラムとの関係、それぞれの立ち位置がいまいちよく分かりませんでした。ただ本格的にクリエーターを育て、収益にし、わりと本気でそれで食っていけるような環境を作りたい意気込みのようなものは感じられました。
YouTube Next Labの信念
■プログラミングとブランドが重要
新しいメディアは新しいブランド、スターそしてユニークなプログラムを求めている
■インターネットに接続されたTV
TVと動画の位置づけの根本的な転換があり、新しい方法での市長が始まっている
■オンラインの視聴者はその先を求めている
視聴者は、再パッケージされたTVやウGCよりも、よりパーソナルで、ターゲットが絞られ、ウェブプログラムされた体験を求めている
■クロスプロモーションとコミュニティーの力
コミュニティーと情報の流布が新しいプログラムへの注目をもたらす。指示される事によって熱心なファンとサブスクリプションを生み出す
YouTube Next Labによるサポート
■オープンソース 数百に上るチャンネルを新たに開設すること
新たな才能を発見し、ヒットを作って視聴者を伸ばす
■キュレーションとクリエーションの融合を奨励すること
人気のあるチャンネル、概して他の人の作品の良いものを取り入れつつオリジナル作品も盛り込んでいる
■ 3段階にそったアプローチをクリーター/プロデュs−サーに提供する
・クリエイティブせいを伸ばす
・プログラミングとチャンネルの設定
・視聴者を増加させる
■現実世界とオンライン上、両方でのコミュニティー増築
クリエーターのオンライン上でのコミュニティー形成と(機材の貸し借りや、スタジオスペースの共有)、実際に世界の様々な場所でのコラボレーションを推奨する(例:NYCラボ、LAラボ、Londonラボ、Parisラボ、Tokyoラボ)
※ラボはNYCやLAにあるみたい。これから日本でも展開していこうと思ってるらしい。
そしてここで、華々しい成功事例としてミシェルファンさん登場。ミシェルさんはメイク動画でYouTubeで圧倒的な人気を持つクリエーターです。
ミシェルさんのこちらのビデオを視聴
※クオリティすごすぎない??
■Lipstick Bullet
2007年5月20日に最初の動画をアップし始めたそうです。元々メイク方法を伝えるブログをやっていたが、分かりやすい動画でメイクレッスンを始めたそうです。レディガガのポーカーフェイスのメイクレッスン動画は2800万回以上再生されてる!!
■Lady GaGa Poker Face Tutorial
動画を製作する際に、ミシェルさんが気を付けている3点
(1)今流行ってるもの、今HOTなものにアンテナを張ってる
レディ・ガガの動画がこれで、その時みんなの話題の中心になっているものにアンテナを貼っておくことの重要性を説明してました。
(2)アーカイブして価値になるもの
毛穴の悩みは100年前も100年後もみんなが気にしている。今ホットなものを制作する一方で、いつでも変わらず欲されているものを作ろう。
(3)いろんな人への共感
白人向けや黒人向け、アジア人向け、いろいろな人がいる。いろいろな人に向けて動画を作るべき。日本人向けだけじゃなく世界グローバルに目を向けよう。
ミシェルさん的YouTubeでの成功 5つの秘訣
・情熱
成功するまでには2年かかった。大好きなものへの投資をいとわなかった。大好きでやるというのが大事。後からも繰り返し
・ 頻度
スケジュールにのって定期的に動画をアップする事が大事。日曜にアップしたり、火曜にアップしたりしていてはファンにとっては苦痛。
現実に不可能な事をせずに、例えば月頭にまとめ撮りするのもアリだと思う。
・反響
ファンの声に耳を傾け、コンテンツの制作に反映させてみる。作品の50%は視聴者の存在。
・ つながり
YouTube以外のプラットフォームを使おう。広告に例えて「テレビだけに広告を打ちますか?雑誌にもラジオにも広告を打っていろんな人に伝わるようになるでしょ?」
・コミュニティ
YouTubeのクリエーター同士でコラボレーションすることは有用。YouTubeの他のクリエーターは会社の同僚のようなもの。ファン層が広がる。
夢を追い求めること
アートを教える先生になりたかった。メイクを通してそれを実現できた。
寿司のレストランでバイトしてたが、YouTubeに専念するためやめた。バイトの店長にはあり得ないと言われたけど、今はこうして成功することができた。
Q&A
2008年から初めて現在1000人のパートナーが日本いるらしい。
※そんなもんなんだなあ。
Q:新しいクリエーターを探しているが、どんなクリエーターを捜しているか?
ミシェルさんも言ったが、自分が関心のあることを視聴者に情熱を持って伝えたいと思っている人。時間を惜しまずそれに費やす人。やるのであれば腰を据えて定期的にスケジュールを守ってアップする。
Q:プログラムに参加するには、オファーがあるのか自分から参加するのか
まず手を上げてもらって(申し込んでもらって)、その中から、熱心さ、魅力的なコンテンツ、定期的にアップしている、 人を捜している。申し込めばそのチャンネルを見ていろいろと検討する。
Q:他クリエーターとのコラボはどうやってやる?
ミシェル:とっても簡単です。メールかメッセージを送ってもいいし、私の場合はYouTubeの集会などに行って実際に顔を合わせることが多いです。
Q:日本のクリエーターはコミュニケーションが下手な人が多いんですが
ミシェル:日本人はコミュニケーションが下手だとは思わない。ただ自信とハングリー精神を持つことは大切。
Q:ミシェル、4年間もモチベーションを保つ秘訣は?
ミシェル:ビデオゲームしたり、テレビを見たり、あんまりオーバーワークになりすぎないこと。ファンや視聴者とのコミュニケーションから常にインスピレーションをもらえる。
Q:動画の長さについて
ミシェル:私はマスカラを付けるのに実際は2分かかってる。でも人がマスカラ付けてるのを2分も見てられる?耐えられないでしょ。自分が見てられるものを視聴者の気持ちで考える。長い短いというよりは、ストーリーがあるかどうか。試行錯誤でやってみるのがいいんじゃない。 もう一つ大切なことは、動画の一番最初と一番最後が、最も注目されます。そこで気を抜かないで!
ポエル:途中脱落した人を測定するようなツールの提供もしている。分析できる。
※そんなんあったっけ?無料のツール??
Q:インストリーム広告は、コンテンツと関連性はある?
広告は、ユーザーをターゲットにしている場合と、カテゴリーをターゲットにしている場合がある。カテゴリーターゲットの広告の場合は、動画と親和性の高い広告が出るだろうが、ユーザーターゲットの広告の場合、必ずしも動画と親和性があるとは限らない。どんな広告が出るかにはパターンがある。
Q:東京ラボの現在のアイディアは?
LAで作るラボは、ハリウッドの影響を受けるなどLAっぽいものにする予定。アジアや東京もニーズにあったものを作りたい。一番重要なのはクリエーターのコミュニティが無いと意味がないので、皆さん今から動画を作って待っていてください。
Q:ミシェル、YouTubeに専念しようと思ったきっかけは?ある程度のページビューを稼いだからいけると思ったから?
ミシェル:当時は4つの動画があるだけで視聴数も1万5千くらい。動画があればパートナーとして検討してもらえるということだったので試しにやってみようと思ったくらいで、特にPVがきっかけになったりはしていない。再生回数などは気にせずやってみると良い。
そしてお土産タイム!
私的まとめ
印象としてはお小遣いとしてのパートナープログラムというよりは、もう少し本格的なお金稼ぎとしてのパートナーを探したいような印象を受けました。どのようなクリエーターが欲しいか?と聞かれて、好きなことに情熱がある人と答えていたのも、ミシェルさんが盛んに、情熱を持って取り組んで、と繰り返していたのも、結構本気度合いが強いなあと思いました。
一方でパートナー申込者数を急いで集めたいような空気も感じました。ここ半年くらいで僕のYouTubeアカウントにもひっきりなしにパートナーへの申し込み勧誘が来ているし、これだけ大きな説明会を開くのも、大きなPRESS席を用意していたのも、なんとなくそんな気がしました。
ラボを作ろうとしていることは驚きでした。LAなどではもう着手しているっぽく、やはり本気度合いというか、単なるプラットフォームから一歩次の段階へ行っている印象でした。ニコニコ動画がニコファーレを作ったり、USTREAMがスタジオを開放したり、そんな流れと似ているように思いました。
もしやるのであれば、日本人は世界向けの動画を作らないといけない、作るべきだと直感しました。まだそういうクリエーターはあまりいないような気がしました。
イベントに直接行くと、テンションが上がるから良いね!とても楽しかったです。
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