初めてこの「スリット・スキャン」という映像を見た時に、その不思議な出来栄えに何度も見入ってしまいました。一体どうなっているんだと。これは是非自分でやってみたいと。そんで色々と調べてみたら、作ること自体はそれほど難しいものではないのですが、多少のコツが必要だったので、作品を置きがてら、ちょっとそんなチュートリアル的なものを書いておこうかなと思います。
まずは百聞は一見にしかずということで、今回もまずは動画を。
■Slit scan (Time diplacement) with AfterEffects
ね、面白いでしょ?
これどういうことかというと、映像を細かくスリットに分けて、少しずつ時間をずらしているんですね。こっちやこっちに詳しいことも書いてありますが、この下のカットの場合だと、ものすごく細かく映像を横に切っていて、上の方が時間が早く、下のほうが時間が遅いんですね。
また映像を縦に切って、右が時間的に早く、左が時間的に遅くした場合、このようにまばたきですら、ちょっと面白い映像になったりします。
実はこれ簡単なアプリでiPhoneとかでも簡単に作れちゃったりするんで、興味がある方はそちらで試してみるのも面白いかと思います。
※ちなみに僕は一番上のPCアプリを使ったのですが、なぜかうまく動作しませんで、途中で諦めちゃいましたが…
> Mac App Store – Slit-Scan Movie Maker
> ゴム人間カメラ -スリット スキャン RT | おすすめ iPhone/iPad アプリ: RainbowApps
> iTunes App Store で見つかる iPhone、iPod touch、iPad 対応 Timetracks – スリット・スキャン・カメラ
さてそれでは早速今回の作り方ですが、AfterEffectsCS6というソフトを使います。
※月に5,000円払えば使えるソフト(買ったらすごく高い)。
使い方はこちらの動画を参考にさせていただきました。AfterEffectsの中にある「時間の置き換え(Time Diplacement)」というエフェクトを使います。
■Time Displacement (Slit Scan) Tutorial – YouTube
でもこれね、そのままやるとすごくギザギザになっちゃって全然ダメなんですよ。上下のスリット間の時間の差がハッキリと出ちゃってて、動きのある部分がカクカクになってしまうんですね。こんな感じ。
これを回避するためには、60fps(普通1秒間30枚の画像で映像を作るところ、60枚の画像で映像を作る)で撮影することがまず第一です。もしご自分のデジカメにスーパースローモードなどがあり120fpsとかあればそれで撮りましょう。とにかく30fpsよりも1秒間を細かく区切れるモードで撮影します。
僕の場合は、60fpsで撮影した素材を「twixtor」というスーパースローが作れるAfterEffets用のプラグインを使って、さらに30%スローにしてから、スリットスキャンを作りました。そうすると許容範囲内のなめらかな映像が出来上がります。
ちなみに原理が分かればコツが分かると思うのですが、上下のスリットスキャンを作る場合は「縦長のものが左右に動く動き」が面白い動きになります(人が歩くなど)。左右のスリットスキャンの場合は「横長のものが上下に動く動き」が面白い動きになります(まばたきなど)。
■How to defuse juggies in slit scan movie
最初の映像を見てもらえば分かる通り、それでも少しギザギザが気になる部分と、すごくなめらかで気持ちが良い部分とがあり、今のところまだその違いが出る原因が分かっていません。もし誰か知っている人がいたら教えて下さいな。
最後になりますが、今回の映像はあまりにもモデルが悪いので、変わりにお仕事で、とても可愛い女の子でもスリットスキャン作品を撮りましたので、どうぞ御覧ください。