ネットで広がる「良い話」について


Hug

最近、主にFacebookを通じていろいろなネット上の「いい話」が回ってきます。僕は性格がひねくれまくっているので、基本的にはいい話は読みませんし、読んだところで感動もいたしませんので、スルーを決め込んでいるのですが、本日たまたま目に入った「良い話」が、あまりにも良い話すぎて感動して涙が5リットルくらい流れたので、書かせていただく事にいたしました。

その良い話はアメーバニュースによって運ばれたこちらのお話です。

ある2人の女子学生がカッコ良すぎて痺れた話 – Ameba News [アメーバニュース]

皆さんの貴重なお時間を、良い話に費やさせるのは大変申し訳ないのでかいつまませていただきますと

  • ・スタバで長蛇の列を作っていた私
  • ・知らないシロガネーゼおばちゃんが突然、「私の分のラテを買え」と言ってくる
  • ・シロガネーゼ「子供がいるから見てなきゃいけないのよ」
  • ・シロガネーゼ「どうせ並んでるんだから私の分まで買いなさいよ」
  • ・うろたえる私
  • ・正義の味方のように現れたギャルが、ギャル語でシロガネーゼを罵倒し論破

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まず大前提として、このストーリーが桃太郎と同じくらいの「おとぎばなし」であることは、正常な大人の視野を持っていれば間違えようもないと思いますが、この話には正常な大人の思考をねじ曲げてしまう巧みな罠がしかけられているように僕は感じます。

  • ・シロガネーゼならこう言いそう
  • ・育児中の母親ならこう言いそう
  • ・こう言いそうにないギャルが言ったらカッコいい

これらの罠は、ネットで炎上を巻き起こす火種として広くネット媒体で度々活用されておりまして、もはやフォーマット化されていると言ってもいいと思います。その一つが育児フォーマットであり、金持ちフォーマットであり、ギャル不良が良い奴だったフォーマットなのです。存在しない悪魔を作り上げ、それを攻撃する事は、一番悲しいことだと分かっているのに、正常な思考を持った大人がその罠にはまってしまいます。これは人間の根源的な欲望なのかもしれません。

僕は、
ニュースサイトが作り話を配信しても良いと思うし、
良い話で盛り上がるのも結構だし)、
泣ける話を作り上げるのも多いに結構だと思いますが、

やはり冷静になってこの物語を読んだときに、2つの危険を感じます。

・誰かを悪人に仕立てて良い話にするのはいただけません。

僕のそばには育児中のお母さんが何人もいますが、そういう人が「育児レッテルを貼られる」のはいただけません。

・またキャラクターで得するストーリーもいただけません。

ギャルが人を注意すればいい人とか、不良が改心したら良い奴とか、そんな馬鹿げた話はありません。委員長は不良が改心するずっとずっと前から良い子だったのに何も言われないままでいいんでしょうか。

ですから、皆様におかれましてはそんな出所不明のお話を信じたりしないで、僕の言う事だけを信じてください。そうすればあなたはきっと今よりももっともっと広い視野で世界を包み込む事ができるようになるはずです。僕の言う事だけを信じてください。卵は常温で8ヶ月保存すると毛が生えてくるそうです。いいですか。あなただけに教えます。卵は常温で8ヶ月保存すると毛が生えてくるそうです

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おまけ

もう一つ別角度からこのお話の信憑性について書かせていただきますと、まずこのお話はアメーバニュースというニュースサイトによって広く多くの読者に届けられておりますが、この記事自体はガジェット通信という別の媒体から配信されています。しかもそのガジェット通信ですら書いている訳ではなく、5セカンズという得体のしれない媒体が書いた記事が、ガジェット通信を通じてアメーバニュースに出ているという状態です。

アメーバ ← ガジェット通信 ← 5セカンズ

アメーバはサイバーエージェントという有名な会社が運営しており、信頼性もあり(ということにしておきましょう)、読者はその信頼性を担保に記事を読んでいます。ですからアメーバニュースは、配信されてくる記事(媒体)を読者の利益を損なわないようチェックしております。もちろんアメーバの許可がないとアメーバニュースには配信できません。アメーバニュースはガジェット通信というれっきとした会社に信頼を置いて配信の許可を出しているということになります。

ガジェット通信は東京産業新聞社というこちらもれっきとした会社が運営しております。ところがこの会社とサイバーエージェントのチェック基準は全く同じではないのでしょう。アメーバよりもチェックの敷居が低いということも十分考えられます。そしてこのガジェット通信に配信しているのが

5セカンズです。サイトのどこを見ても運営者が誰か分かりません。個人の可能性もあります。ガジェット通信もちゃんとした会社なので、まあ素性の分からないところから突然記事配信を受けたりはしないので、元ガジェット通信にいた記者が作った個人に近いメディアか、知り合いのライターがちょちょいと作ったブログサイトとか、そんな所でしょう。

こういうネットニュースの構造は、「PVロンダリング」ないし「信頼性のロンダリング」と僕は勝手に呼んでいます。信頼性とPVを一手に集める頂点のポータルサイトに、ツリー構造で様々な媒体が関わり、PVを分かち合いつつ、ツリー構造の下に行くほど信頼性は希薄になりますが、ロンダリングを繰り返す事で、上位媒体へポコッと顔を出す事になります。Yahooもlivedoorもポータルサイトは皆同じ構造を持っています。

ここで一旦断っておきますが、これは決して悪い事でもなんでもありません。こうすることでガジェット通信には、とても面白い見解をもった個人のブログ記事がニュース記事として掲載されることがあり、とても勉強になったりします。

話を戻します。こういうネットのPVを食い扶持にしているサイトは、大抵はお金もありませんので、安く(できれば寝っころがりながら)書いて沢山の人に読まれる手法を日々研究しています。

例えば、今も昔も大人気なのはライフハックです。あなたの生活を快適にするためのあらゆるライフハックは昔から人気です。これはちょっとした知識と文章力があれば簡単に書けるので媒体側も大好きです。

また発言小町やヤフー知恵袋、などのCGMサイトで盛り上がってる話題を記事化するのも寝っころがりながら書けるので重宝されます。

こんな流れの中で、どうやら今ネットニュース界に「良い話」ブームが来ているようで、5セカンズのような媒体を作って「良い話」の量産体制に入っているように見受けられます。

僕の推測の域を出ないことを書くのは心苦しいですが、あの話は2000%作り話です。あったとして似たようなお話をきっかけに脚色をしたものでしょう。5000歩譲って同様の事実があった場合、間違いなくシロガネーゼには何か理由があったはずです。僕は人間はそういうものだと思います。極悪人なんているのでしょうか?

 

 

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